~KissHug~
「私のせいよ。
私が芳樹を追い込んだんだね。」

芳樹は頭を抱えていた。


「芳樹は私を愛してくれたのに
私は、二人とも愛していた。
でも心は素良を求めて
ゆれている・・・・・・
でもね、芳樹のそばにいると
楽しかった。
芳樹と一緒にいろんなことしたね。
いろんなこと芳樹と
したよ。」


「楽しいって思ってくれてた?」

「うん。
楽しかったよ。
芳樹に抱かれてると気持ちよかった。」


「今まで縛っていて
ごめん・・・・・
もう自由になっていいよ・・・・」


「自由?」


「俺は卑怯だね。
素良が旅発つ前に
自由にしてあげられなかった。
そして今日まで
逃げてきたんだ。
最後の最後まで
俺はあきらめの悪い男だったね。」


「芳樹
それは違うわ。
私が一番卑怯だった。
あなたが一番まっすぐに・・・・
生きてるよね。
でもこれだけは信じて欲しい
私の心は揺れていたけど
芳樹を愛していたよ。」


芳樹は静かに顔をあげた。


「後悔してないよ。
芳樹と素良の間で揺れていた時間
ありがとう・・・・
幸せを一杯くれた・・・・
芳樹を一杯悩ませて
ごめんなさい・・・・
追い詰めて傷つけて
私こそごめんなさい・・・・・」


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