~KissHug~
素良に会う約束をとりつけることは
できなかった。

私は、次の日早起きをして
小樽に向かった。

きっと素良がこの地を訪れるような気がして・・・

会えるとは思ってなかったけど
観光ガイドを手にして
私は小樽を散策しようと決めていた。


札幌駅のホームには人がまだ まばらだった。
海水浴シーズン
これから先はきっと混雑するから
私はギリギリのこの時間を選んだ。


今日の太陽は元気がないけれど
短い夏を楽しみたい人達で
きっと混雑するだろう・・・・


  ラッキー
  窓側に座われる

発車のベルと同時に人が飛び込んできた。


それが誰なのか

不思議と私には予感できた。


「間に合った~」
息を切らして独り言を言う人は


私の愛してる人だって・・・・


「素良・・・・・」


その人は
驚いたように私を見つめた。

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