~KissHug~
「歩来ちゃん!!」

芳樹が笑顔で言った。

「びっくりした。バイトしてるんだ。」

芳樹は荷物を手際よく積んだ。

「うん…って、学校には秘密なんだ。
ばれたら停学だからさ~」

「うちの学校厳しいものね。」


  今彼女は、違う男と一緒だよ

喉まで出かかった。

「なんで、こんなとこにいる?
今日、具合わるくて早退って…
制服だし?なんかあやしい匂いがする」


  あ~そうだった

私は慌ててしまった。

「歩来ちゃんちこっちじゃないよね。」

「ちょっと用事があってね。
いいじゃん、気にしないで」


「うん、こうやって会えたし
偶然に感謝だな。」


「じゃ、がんばってね」

「気つけて!!
バイトはさ、千鶴も知らんから
歩来ちゃんだけの秘密で、ヨロシク~」



店の中で
働く後姿を見た。


私の知ってる
許せない男は
結構真面目に働いていた。



  普通に話してたけど
  芳樹にはファーストキスを奪われたんだ 



店を出て
芳樹の働く後姿を見た。


  意外な一面を見たかも


千鶴が今何をしているのか
知らずに働いている
芳樹が少し気の毒だった。

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