~KissHug~
クラス中が騒然となった。
もちろんわたしもパニックになった。


「なに?なに?
ふざけるのもいいかげんにしてよ。
千鶴さんがいるのに……」


「千鶴とは終わったよ、な?」



千鶴が顔を覆った。


「俺、歩来ちゃん好きになった。
かんがえておいて。」


「私は、好きじゃない……」


「わかんないっしょ、一緒にいないとさ。」



「一緒にいないし……」



その時、素良が立ちあがった。


「てぇめーいいかげんにしろよ!!」


芳樹に掴みかかった。


キャー!!!


教室の真ん中で殴り合いが始まった。


いつもクールな素良が
芳樹と殴り合う姿を見ていた。



  千鶴のためだよね

  私のためなんかじゃそんなに熱くならない



千鶴は、ただ泣いていた。

なぐさめるように
数人の女子がまわりを囲んでいた。


  芳樹は消えた方がいいでしょ?

  その方が、素良にはいいんじゃない?

  千鶴を抱きしめることができる。

  素良の片想いが、終わる……



「私、芳樹と付き合う。」
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