~KissHug~

~15~

「好きなやつに噛まれたの?」

答えられない……

「そんなに親密なんだ?」

「そんなこと答えない。」


「ぷーちゃんは絶対に離さないから。」

「どうせ、今までみたいに飽きたらポイでしょ?」

私は歩きだした。
その後を、芳樹がついて歩いた。


「ところで、今日はどこに行くの?」

「俺んち!!」

「家はいやなんだけど。」

私の手を引きズンズン歩いた。


「痛い、離してよ。」


芳樹は、手を離さない。


「ね、こわいよ。」

はっとしたように
芳樹の足が止まった。



「ごめん、ぷーちゃん…
ちょっとイラついてごめん…」


芳樹ってわからない
感情の差が激しいから
一緒にいると疲れる


芳樹が好きだったら
きっと不安になるかもしれない


つかめない……


疲れる……



素良のところに行きたい……

抱きしめられて
心も体も
素良を求めている


私っていやな女だよね。
地味なくせして……
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