~KissHug~
私は大きなため息をついた。
まだ、体が前後に揺れている。


「絶叫マシーンは嫌い?
千鶴は、キャッキャ言ってたけど~」


  カチーン


「大嫌い!!」


芳樹がブランコから降りた。

「つまんないなら、別に
付き合うことないから。」

千鶴の名前をきいてむかついた。


「別に、たのんで付き合って
もらってるんじゃないし
だいたい、私はひとりで全然いいんだし……」


  ブツブツ……



「ね、耳どうしたの?
歯型ついてるよ。
そんなとこ噛む奴がいるんだ。」


私は真っ赤にアピールする耳たぶを押さえた。


  マズイ・・・・・
  素良のことばれたら大変


「俺のものだから、
絶対離さないからね。」


「別に、あなたの所有物じゃないんだから
そんなこと言われたくない。」


「俺をみてよ。」

「見てるし。」

「何がわかる?」

「女ったらしで、冷酷で
思いがけずに働き者で、
だけど、わがまま暴君。」

「なんだ?それ!!」

芳樹が吹きだした。


「俺は知ってるよ。」

「なにを?面白がってちょしてるくせに。」


芳樹が腕をつかんだ。


「他に好きなやつがいるってね。」


  こいつ……
  あなどれない……



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