~KissHug~

~17~

素良のキスは激しさを増して
唇は、唇から首筋に降りてきた。

息が荒くなってきて
心臓がドキドキなった。


素良の手が私の胸に触れた…


  愛されてるんじゃない

そう思ったけれど
素良になら
いいと思った。

「ぷくちゃんの心は何を考えているの?」

  私?悲しいだけよ

胸のふくらみに手をのせたまま
素良は、私の胸に顔を埋めた。

「俺さ、ひどいやつだよね。」

  うん

「ごめん。」


  言わないで…

「ち~のことずっと好きだった。
芳樹に傷つく
あいつがその時だけ
俺のところに戻ってくる。
理解してる
わりきってるけど
ち~が俺の腕の中にいる幸せが
自分のものにしたいって叫ぶ。」



「でも、それをちーには言えない。
今までのことがすべて
下心なのがわかってしまうから
俺は、あいつには伝えられない。
偽って寛大に見守ってるように見せて
それは嘘、全部嘘…」


  私と同じ…


愛しくなって素良を抱きしめた。


「ぷくちゃんを利用してるよね。
ぷくちゃんには
本当の俺を出せるんだ。
甘えたり、嫉妬したり
大事な存在なんだ。」


  そこに愛はなくても


「ぷくちゃんの心はなんて叫んでる?
ぷくちゃんの心が見えないから
俺は、子供になれる。
ただ、甘えていたい
そんな気持ちだけで…」


   俺を好きにならないでって
   聞こえるよ。




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