~KissHug~
ステージで本番を見た時
驚いた。


ステージの中央には、ピアノが置いてあり
そこに座ったのが
素良だったから…


ピアノをたたく
素良は情熱的で
いつもの冷たい素良じゃなかった。


時より見せる笑顔の先には
千鶴がいた。


千鶴と目を合わせ
笑い合う二人に
胸がナイフで突かれた想いになる。


私は体育館の一番後ろで
それを見ていた。

涙で視界がぼやけてきた。


素良の目は
私を見る目と違う

熱い目だった。


Kissする時も
Hugする時も
いつも一番近くで見つめる私にはわかる


素良の千鶴に対する想いを



わかっていても
理解してても
こんなにつらいなんて


楽しいゴスペルも
ステージがどんなに盛り上がっても
私の胸には
孤独感がにじみ出す。


今まで恋も知らなかった私が
素良に恋して
素良とするKissやHugの中で
いろんな思いを経験してきて

そして今日
一番傷ついた日

ステージの感動は
客席を包む

素良と千鶴が手をつなぎ挨拶をした。


その感動は
私には絶望でしかなかった。


でも
私は素良を愛してる


この恋は、どんどん
加速をつけて
走り出す・・・・・・・


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