変わるなら今
く腕を捕まれた。振り返ると、美華が焦りと不満を含んだ表情でこっちを睨みつけている。
「由奈!あんた、さっきから何調子乗ってんの⁉あんたなんか拾ってもらえた身のくせに何様のつもり⁉たかが色々頼んだりカンニングの疑いかけられたくらいで、偉そうなこと言ってんじゃないわよ!それに今更先生に言ったって、あんたの言うことなんか信じてもらえるわけないから!これからもあたしの代わりに、カンニングの犯人として大人しく過ごしてれば良いのよ!」
そこまで言うと、周りのクラスメートの、美華達の見る目が変わった。
「え…美華の代わりにって…」
「あのカンニングって、美華が仕組んだことなの?」
あちこちでそのような話し声が聞こえ、美華は慌てて周囲を見回し、「ち、違う!あたしじゃない!あたしが犯人じゃない!カンニングしたのはコイツで…」
慌てて必死に説明するが、周りの皆の目が一層に冷ややかになる。
「でもそう言えば、美華達、この前瀬川さんに宿題やってもらったって言ってたよね」
「そう言えばこの前も、掃除当番が面倒臭かったから、瀬川さんに押し付けたって…面倒なことは全部瀬川さんに押し付ければ良いって言ってたよね」
「じゃあ、この前のカンニングのことも…?」
あちこちで、これまでの美華達の悪行が口々に囁かれている。美華は完全に言い訳ができなくなり、立ち尽くしている。すると、沙紀と杏奈も慌てだして、
「…あ、あの、あたしは関係ないから!本当は由奈に悪いなって思ったけれど、美華にやれって言われたから、無理矢理やらされただけっていうか…」
「あ、あたしもだよ!美華が言うから…美華って、断るとすぐ切れるし…」
それを聞いた瞬間、美華は更にかなり不機嫌な表情になり、掴んでいた私の腕を離すと、沙紀と杏奈の襟首を掴み、「ちょっとあんた達!どういうつもり⁉」と怒鳴りつけた。言い合いしている三人の姿を見届けると、私は再び背中を向け、教室から出ていった。振り返ることなく、職員室までの廊下を歩いていく。
今まで嫌でも、何も断れず言いなりになっていた自分。仲間外れにされるのが、一人になるのが嫌だった自分。少しだけかもしれないけど、そんな自分から変われた気がした。途中まで歩いていた時、一人の女子生徒と目が合った。丁度、蒼井さんが登校してきたところだった。私は一旦立ち止まり、彼女に小さく笑みを浮かべ、「ありがとう」と短く言った。一瞬目を見開いたが、彼女も小さく笑みを浮かべ、少々頷く。そして、私の横を通り過ぎると、教室までの廊下を歩いていった。そんな彼女の後姿を見て、初めて笑っているところ見られたなと思い、なぜか少しだけ嬉しい気持ちになった。それと同時に、少しの疑問が過った。更に、クラスメートの話題が蘇った。
『ねぇねぇ、最近ある女の子から、今この状況を変えないと必ず後悔することになるって予
「由奈!あんた、さっきから何調子乗ってんの⁉あんたなんか拾ってもらえた身のくせに何様のつもり⁉たかが色々頼んだりカンニングの疑いかけられたくらいで、偉そうなこと言ってんじゃないわよ!それに今更先生に言ったって、あんたの言うことなんか信じてもらえるわけないから!これからもあたしの代わりに、カンニングの犯人として大人しく過ごしてれば良いのよ!」
そこまで言うと、周りのクラスメートの、美華達の見る目が変わった。
「え…美華の代わりにって…」
「あのカンニングって、美華が仕組んだことなの?」
あちこちでそのような話し声が聞こえ、美華は慌てて周囲を見回し、「ち、違う!あたしじゃない!あたしが犯人じゃない!カンニングしたのはコイツで…」
慌てて必死に説明するが、周りの皆の目が一層に冷ややかになる。
「でもそう言えば、美華達、この前瀬川さんに宿題やってもらったって言ってたよね」
「そう言えばこの前も、掃除当番が面倒臭かったから、瀬川さんに押し付けたって…面倒なことは全部瀬川さんに押し付ければ良いって言ってたよね」
「じゃあ、この前のカンニングのことも…?」
あちこちで、これまでの美華達の悪行が口々に囁かれている。美華は完全に言い訳ができなくなり、立ち尽くしている。すると、沙紀と杏奈も慌てだして、
「…あ、あの、あたしは関係ないから!本当は由奈に悪いなって思ったけれど、美華にやれって言われたから、無理矢理やらされただけっていうか…」
「あ、あたしもだよ!美華が言うから…美華って、断るとすぐ切れるし…」
それを聞いた瞬間、美華は更にかなり不機嫌な表情になり、掴んでいた私の腕を離すと、沙紀と杏奈の襟首を掴み、「ちょっとあんた達!どういうつもり⁉」と怒鳴りつけた。言い合いしている三人の姿を見届けると、私は再び背中を向け、教室から出ていった。振り返ることなく、職員室までの廊下を歩いていく。
今まで嫌でも、何も断れず言いなりになっていた自分。仲間外れにされるのが、一人になるのが嫌だった自分。少しだけかもしれないけど、そんな自分から変われた気がした。途中まで歩いていた時、一人の女子生徒と目が合った。丁度、蒼井さんが登校してきたところだった。私は一旦立ち止まり、彼女に小さく笑みを浮かべ、「ありがとう」と短く言った。一瞬目を見開いたが、彼女も小さく笑みを浮かべ、少々頷く。そして、私の横を通り過ぎると、教室までの廊下を歩いていった。そんな彼女の後姿を見て、初めて笑っているところ見られたなと思い、なぜか少しだけ嬉しい気持ちになった。それと同時に、少しの疑問が過った。更に、クラスメートの話題が蘇った。
『ねぇねぇ、最近ある女の子から、今この状況を変えないと必ず後悔することになるって予