檻の外へー極道なんて、大嫌いー
俺は若に「監視」を命じられていた。玲美の一番近くにいて、彼女を守っているつもりになっていた。
だが、どうだ。俺は玲美がこんなになるまで体を酷使し、傷を増やし、睡眠すらまともにとれていないことに、全く気づいていなかったじゃないか。
「……すんません。俺、学校でアイツの隣にいたのに……全然、気づけなくて……」
自分の声が情けなく震える。
俺が差し入れたパンを、玲美はいつも「ありがとう」と微かに笑って受け取っていた。あの時、彼女はどんな痛みを堪え、どんな絶望を隠して笑っていたんだ。
若は俺の謝罪には答えず、ただ短く息を吐いた。
「……手当しろ。まずは止血と消毒だ。骨がいってねぇかどうかも確認しろ」
「っ、押忍……!」
俺は必死に涙を堪えながら、消毒液の蓋を開けた。
傷だらけの白い肌に薬を塗る手が、どうしても震えてしまう。痛みを堪えるように小さく呻き声を上げた玲美の顔を見て、俺は心の中で何度も、何度も謝った。
ごめん。何も知らなくてごめん。
絶対に、もう二度とこんな思いはさせない。
俺の背後で、若が静かに煙草を吸い続けている。
この時、俺は若の背中から発せられる静かな殺気を確かに感じていた。それは半グレどもに向けられたものではない。この傷を玲美に与えた張本人――小鳥遊組という組織そのものに向けられた、どす黒い殺意だった。
だが、どうだ。俺は玲美がこんなになるまで体を酷使し、傷を増やし、睡眠すらまともにとれていないことに、全く気づいていなかったじゃないか。
「……すんません。俺、学校でアイツの隣にいたのに……全然、気づけなくて……」
自分の声が情けなく震える。
俺が差し入れたパンを、玲美はいつも「ありがとう」と微かに笑って受け取っていた。あの時、彼女はどんな痛みを堪え、どんな絶望を隠して笑っていたんだ。
若は俺の謝罪には答えず、ただ短く息を吐いた。
「……手当しろ。まずは止血と消毒だ。骨がいってねぇかどうかも確認しろ」
「っ、押忍……!」
俺は必死に涙を堪えながら、消毒液の蓋を開けた。
傷だらけの白い肌に薬を塗る手が、どうしても震えてしまう。痛みを堪えるように小さく呻き声を上げた玲美の顔を見て、俺は心の中で何度も、何度も謝った。
ごめん。何も知らなくてごめん。
絶対に、もう二度とこんな思いはさせない。
俺の背後で、若が静かに煙草を吸い続けている。
この時、俺は若の背中から発せられる静かな殺気を確かに感じていた。それは半グレどもに向けられたものではない。この傷を玲美に与えた張本人――小鳥遊組という組織そのものに向けられた、どす黒い殺意だった。