檻の外へー極道なんて、大嫌いー
教室の扉を開けた瞬間、俺を待っていたのはクラスメイトの歓声と、玲美の冷ややかな視線だった。
席に戻るや否や、俺は先ほどの「飛龍の姫」という決定事項を玲美に告げた。
「は……? 飛龍の姫? あんた、頭おかしくなったの?」
玲美の大きな瞳から温度が完全に消えた。俺の腕を掴み、小声で詰め寄ってくる。
「あんたの勝手な判断でしょ! 絶対嫌だし、断ってきなよ。……もしそんな変なグループに関わってるって魁にバレたら、どうなるか分かってるの? 私、全部魁に言いつけるから!」
「ひっ……!」
「魁に言いつける」――その殺し文句は卑怯だ。俺が畏敬する組の若頭の名前を出されると、流石の俺も背筋が凍る。だが、ここで引くわけにはいかない。
俺の青春がかかっているんだ。
俺は玲美の机に身を乗り出し、必死に食い下がった。
「落ち着け玲美! これはお前を守るための戦略なんだよ! 飛龍の姫になれば、他の変な連中はお前を狙えなくなる。それに、俺が飛龍のメンバーになれば、お前と一緒にいられる時間がもっと増えるんだぞ!」
「増えたって迷惑なだけだし! 第一、そんな不良の集まりに関わってたら、仕事の時間に響くじゃない!」
玲美の正論が痛い。だが、そこで俺はある切り札を切った。
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