檻の外へー極道なんて、大嫌いー
【side 魁】
車窓を流れるネオンの目を指すような人工的な光が、今夜はひどく鬱陶しく感じられた。
俺は組の本邸へと向かう黒塗りの高級車の後部座席で深くため息をつき、スーツのポケットから煙草を取り出して火をつけた。肺を紫煙で満たしながら、数十分前に起きた出来事を脳内で不快な反芻にかけていた。
自分のシノギが予定より早く片付いた俺は、胸の奥でチリチリと燻っていた嫌な予感を拭いきれず、大樹ら部下を先に帰して、単身で御影組傘下の事務所へと向かった。
『無理そうなら、俺の部下を何人か貸す』
前日の俺の気まぐれな提案を、あいつは即座に拒否した。その強がりが、どうにも嫌な形で裏目に出る気がしてならなかったのだ。
裏路地からターゲットのビルを見上げた時、三階の窓から逃走用のランヤードが垂れ下がっているのが見えた。
そして、その窓枠越しに飛び込んできた光景に――俺は、これまでの人生で感じたことがないほどの、心臓を鷲掴みにされるような激しい「動揺」を覚えた。
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