檻の外へー極道なんて、大嫌いー
「『こんな人生なら死んだ方がマシ』とでも思ったか? お前がどれだけこの世界を嫌悪していようが、そんな甘ったれた感傷は知ったこっちゃねぇ。だがな……」
魁は私の肩を強く掴み、ギリリと指を食い込ませた。痛みに私が顔を歪めると、彼は吐き捨てるように言葉を叩きつけてきた。
「テメェの命は、テメェだけのものじゃねぇんだよ。極道の家に生まれた以上、生きるのも死ぬのも組のモンだ。勝手に命を投げ出すような真似、二度と許さねぇ。……どんなに泥水をすすってでも、這いつくばってでも、絶対に生き延びろ。死ぬことすら逃げ道にするな」
「……っ、はい……」
私は恐怖と、己の弱さを見透かされた恥ずかしさでボロボロと涙をこぼしながら、小さく頷くことしかできなかった。
人を殺す覚悟もない。かといって、生き抜く執念もない。中途半端な自分の甘さが、結果的に晴樹を危険にさらし、魁という一番恐ろしい男に助けられるという最悪の結末を招いたのだ。
「チッ……泣いてる暇があったら手ぇ動かせ。サツが来る前に、こいつら車にぶち込むぞ。晴樹、お前も手伝え!」
魁が乱暴に私の肩から手を離し、倒れている御影組参加の若頭たちを蹴り上げながら指示を飛ばす。
「はいっ!!」
晴樹が弾かれたように動き出し、ロープで彼らを縛り上げ始めた。
私はまだ震えが止まらない両手を必死に握りしめ、涙を拭った。拾い上げられたリボルバーの冷たさが、魁の言葉と共に私の心に重く、深く刻み込まれていた。
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