札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「……随分と余裕なのね」

「え……? 本当に理由はわからなくて……」

「何もしていないのに、と言いたいのでしょう? 嫌味なのかしら……許せないわ」

「???」


どうやら何を言っても捻くれた解釈をされてしまう。
これ以上、何かを発するのは得策ではなさそうだ。


「ロベール様は女性嫌いなはずなのに……なんでオリヴィア様は平気なのかしらね」


最初から金で妻を買おうとしていたことをアリスは知らないのだろう。
先ほどから彼女の話を聞いていて思うが、ロベールを神格化しているような気がしていた。


「どうして令嬢としても女としても不出来な子を選んだのかしら。美しくもないなんて最悪よ」


ロベールは外見で選んでいるようには思えなかった。
札束で頬を叩かれても食いつくような強さやお金への執着。
さまざまなことに関する耐久力を見ていたような気がしてならなかった。
双子を使って驚かせようたしたことも、札束でビンタされたことも、威圧的な姿で脅してきたことも、そんな理由があるのではないだろうか。


「……刺激的な出会いだったもので」

「ふーん……刺激的、ね」


言葉を選んだつもりだったがアリス相手には意味がないようだ。
オリヴィアは紅茶を持ちながら、誤魔化すよう笑みを浮かべる。


「なんでこんなことになっちゃったのかしら。不思議だわ……」

「えぇ、そうですね。不思議です」



(わたしが一番聞きたいわ。どうしてロベール殿下と結婚することになったのか……援助してもらえるのは嬉しいけど)
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