札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「初夜とは肉体と肉体のぶつかり合い……なのですよね?」

「…………は?」

「お兄様がそう言っていたのです。武器なしで勝負をするということでしょう?」

「武器……」


ロベールはパチパチと何度か瞬きを繰り返している。
しかし次の瞬間、声を出して噴き出すように笑い出してしまった。


「くっ……ははっ」

「ど、どうして笑っているのですか!」

「肉体と肉体のっ、ぶつかり合い……くくっ、たしかにな」


これも余裕があるゆえなの笑みなのだろうか。
シーツを持ち上げながら、彼の様子を伺っていた。


「閨事を教えるものはいなかったのか?」

「…………ねや? 屋根ではなく?」

「ああ、そういうことか。よくわかった」


なぜか上機嫌になってしまったロベールはあっさりと引き下がった。


「勝負はしないのですか?」

「今はいい。それに正々堂々と勝負をしなければならないのだろう?」


ロベールの視線はオリヴィアのシーツを押さえている手に向かう。


「それはありがたくはありますが……」

「くくっ……」


何度も笑うのを堪える素振りを見せるロベールは仮面を付け直した。

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