札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~

エリーは無表情ながらもピクリと眉が動いた。
ロベールもオリヴィアが常識外のことをやらないかぎり、何も言わないはずだからと。
渋々ではあるが許可をしてくれたエリーに感謝しつつ、オリヴィアは有意義な時間を過ごしていた。

オリヴィアが活き活きしている姿を見て、何も言えなくなったのだろう。


「旦那様には、ちゃんと報告いたしますからね」

「はーい」


返事をしたものの、実際は掃除に夢中でまったく聞いていなかった。

それに彼らと親しくなるための第一歩になったようだ。
午前中は屋敷の手入れ、掃除や洗濯、午後から夜はみっちり勉強。
そんな幸せすぎる状況に加えて、三食も食事が出てくる。
身の回りのことをしてくれる侍女もいて、最高の結婚生活になっていた。

しかしオリヴィアには不満が一つだけあった。

(心の底から肉が食べたい……)

すべてが美しくて完璧な料理は最初は嬉しかったものの、だんだんと物足りなさを覚えていた。
久しぶりに草を食べたいと思うくらいには深刻だった。

まさかあの生活が恋しいと思う日がくるなんて、信じられなかった。
自分の手で捌くのは手間暇がかかるものの、薪をくべて焼いた肉は頬が落ちるほどにおいしいのだ。
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