札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
(生臭いけどハーブで消せば問題ないし、塩でさっぱりと食べる赤身肉最高。あの肉汁……たまんない)

それにあんなに食べたいと思っていたクッキーやマドレーヌも、初めはどうして今までこの味を知らなかったのかと毎回感動していた。
だが、だんだんと飽きてしまい胃が受け付けなくなってしまう。
紅茶にチョコレート、パンに三切れの肉とよくわからかいソース。
前菜も食べたことないものばかりだが、口に合うかと問われたら微妙なところだ。

どうやら質素な食事を何年も続けていた代償はオリヴィアが思っていた以上に大きいようだ。

今では毎晩、夢に出てくるほどに肉にかぶりつきたいと思っている。
朝起きると、したたるよだれが乾いて口周りがカピカピになっていた。

それにもう一つ気になることといえば、あの日以来ロベールと顔を合わせていないということだ。

あの日から毎晩、初夜に備えて戦闘服を着て準備運動をしていたのだが、まったく意味がないことに気づく。
初夜には必ず着なければならない無駄にヒラヒラとした透けているネグリジェ。
これを着ると男性は勝負をする気になるらしい。

(恥ずかしがらせて勝負に勝とうとしているの? 正々堂々と勝負すると言ったのに……)

しかしそんな姑息な手に負けたくはない。
毎夜にネグリジェという名の戦闘服を着て準備していたものの、ロベールが現れることはなかった。
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