札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~

窓からはいつの間にか日の光が漏れ始めていた。
オリヴィアは休むことなく、一人一人の様子を見ながら確認していた。
エリーが服を持ってくるが、動きにくいからと急変があったら困るからという理由で断る。
それよりもこれ以上、体温が下がらないようにと怪我人を気遣うように告げた。


「お待たせしました……!」


医師が大量の包帯を持って現れた。
オリヴィアは立ち上がると、応急処置は終えたことや治療の順番、怪我の状況などを細かく伝えていく。
今回、運が悪いことにエンバルト公爵家の常駐の医師は医薬品を調達しに屋敷を離れていたようだ。
予想外の怪我人に知らせを受けて慌てて屋敷に戻ってきたようだ。

オリヴィアにお礼を言った医師は怪我人たちの様子を診ていく。

(久しぶりだったけど、うまくできてよかったわ)

血塗れになった手のひらを見つめながらグッと握った。
懐かしい感覚は自然と昔の記憶を呼び起こす。

(……みんなが助かりますように)
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