札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「あとは……領民が幸せに暮らせるようになれたら、と」

「金の援助か?」

「えっ!? そんなことしてくれるんですか!?」

「ああ、別に構わない」


オリヴィアは大きく目を見開いた。
辺境は戦地だったため、なかなか復興が進んでいない。
父は王家かはもらった報酬をすべて領民のために注ぎ込んだ。
そのおかげで短い期間ながらも普段通りまで生活は送れるようになってはいるが、まだまだ足りないのはたしかだ。

ロベールは店でパンを買ってくるくらいの気持ちなのだろうか。
オリヴィアは彼の真意を探ろうと目を細めて見つめていた。
だが、表情の変化はない。
公爵家とは、ここまですごいのかと感動していると……。


「それで、もう願いはないのか」

「えー……えっと…………はい」

「人のことばかりだな。オリヴィア自身は何か欲しいものはないのか?」

「わたしですか!? ありませんけど……」


今度はロベールが不機嫌そうに目を細めた。
どうやらロベールが聞きたいのはオリヴィア自身の願いは何かということらしい。
オリヴィアは一つ願いを思いついたのだが、もしかしたら笑われるかもしれないと口ごもる。
それに時間さえあれば自身の力で叶えることができるのかもしれない。
< 171 / 216 >

この作品をシェア

pagetop