札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
(そもそも、ずっとここにいてほしいってどういう意味なのかしら)

いまいちロベールの言っていることが理解できなかった。


「どういう意味なのか説明してください」

「やはり一年では足りない」

「え……?」

「ディルムーン辺境伯の事業が軌道に乗るためには一年以上は必要だろう。それに俺が離れれば、またどうなるかわからないぞ?」


なんもなく丸め込まれているような気もするが、彼の言っていることにも一理ある。
父は今、ロベールの助言をもとに事業を順調に進めているようだ。


「それは勝負に勝てば……」

「負けたら?」


オリヴィアはグッと唇を噛んだ。
たしかにロベールは頭がいいため、負ける可能性もなくはない。


「いいか? いまから言うことをよく考えてみろ」

「は、はい!」

「オリヴィアがここにいることでディルムーン辺境伯たちも幸せになり続けて、柔らかい肉も好きなだけ食べられる。それだけでもここにいる価値はあるだろう?」

「たしかに……!」


オリヴィアはロベールの口車に乗せられていると気づかないまま、大きく頷いていた。
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