札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「こんなにいりません!」
「いや、これはオリヴィアに似合う」
「似合う似合わないではなく……」
「ここからここまで、すべて包んでくれ」
ロベールの提案はどれもオリヴィアが考え付かないことばかりで、圧倒されるばかりだ。
レストランも個室でゆっくりと楽しむことができたし、その後もゆったりとした時間を過ごしていた。
この後も買い物をしたいというロベールに、オリヴィアは慌てて街を散歩したいと伝える。
これ以上の買い物は身が持ちそうになかったからだ。
(でも、わたしの言うことは聞いてくれないわよね)
まだまだ買う気だったらしいロベールは不満そうだ。
オリヴィアはロベールが自分の意見を押し通すものだと思っていた。
しかし彼から帰ってきたのは予想もしない言葉だ。
「オリヴィアがそう言うならそうしよう」
「……え? いいのですか!?」
「もちろんだ。オリヴィアの願いは叶えたい」
「あ、ありがとうございます」
予想外の言葉になんて返したらいいのかわからなかった。
(どういうこと? ロベール様はどうしてしまったの?)
あの傍若無人な彼はどこにいってしまったのか。
それとも初老の男性の姿は少年時同様に優しい設定なのだろうか。
オリヴィアはわけのわからないまま彼を見つめたが、優しく微笑むだけで何もわからない。