札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
それにサンドラはオリヴィアが妻だとは知らずに、エンバルト公爵家の侍女だと聞いていたらしい。
必死に弁明していた彼女だったが、事が起こったあとでは言い訳にしかならない。
グミーダ伯爵家は降格とともに領地の一部を失った。
爵位も親戚が継ぐそうだ。

そしてサンドラからアリスの名前が出たそうだが、彼女はサンドラに友人としてやめるように忠告したと涙ながらに語った。
レディズリー公爵がすぐに揉み消したのだろうとロベールは言っていたため、サンドラには同情してしまう。
グミーダ伯爵家にとって最悪な結果になってしまった。


「……グミーダ伯爵も落ちぶれたものだな」


ロベールは吐き捨てるようにそう言った。
今は彼とお茶を一緒に飲んでいた。
彼の所作を見習いつつマナーを確認して、紅茶を飲みながら頷いていた。
もうすぐパーティーということで、契約結婚だということをバレないようにしたいのだとオリヴィアも彼に合わせていた。

(これも大切なお仕事だもの……!)

ロベールは突然、仮面をとるとオリヴィアのもとに跪く。


「オリヴィア、俺は君しか愛すつもりはない」

「と、いう設定ですね! ちゃんとわかってますから」

「違う。契約結婚のことだが……」

「安心してください。わたしも演技をがんばりますね」

「…………」


ここまでくるとロベールが不憫だった。
彼はオリヴィアを愛おしそうに見つめていた。
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