札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
言われるがままオリヴィアはソファに腰掛けていた。
すると見たことがない早さで、紅茶やお菓子が並べられていく。
オリヴィアは口端からよだれが垂れそうになるのを必死に耐えていた。
それにこの札束を手放すことが怖いため、手のひらに置いたままだ。
(こ、こんなおいしそうなお菓子が目の前に……!)
獣臭い肉でも苦味のある野草でもない。
王都の令嬢たちがお茶会で食べていそうなお金と手間がかかったお菓子だ。
紅茶も何故か花の香りがする。
最初で最後の機会かもしれないと、オリヴィアはお菓子を凝視していた。
これがどんな味がするのか、想像するだけでも幸せいっぱいだ。
「召し上がらないのですか?」
「…………えぇ」
オリヴィアはお菓子に夢中で上の空で返事をしていた。
それに手のひらの上には信じられないような大金。
震えてしまうのを必死に抑えながら、どうやって置けばいいのか考えていた。
だが、そんな幸せな気持ちもロベールに紙を置かれたことで遮られてしまう。
その紙にびっしりと何かを書き込まれている。