札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
まるでイエスしか言えないように、手を回したとしか思えなかった。
オリヴィアとアイナスが部屋に戻ると、彼が言った通りロベールが父に執事や侍女が二人やシェフや医師を紹介しているようだった。

(もう事業の話は終わったのかしら?)

父はすっかり上機嫌だった。
今度の事業はうまくいくだろうと目を輝かせているではないか。


「オリヴィア、いい旦那を捕まえたな!」

「…………」


にこやかに微笑み続けるロベールは胡散臭くてたまらないが、父にとってはやっと現れた救世主なのかもしれない。

(お父様ったら単純すぎるわ。だから騙されるのよ……!)

不満があったオリヴィアだったが、ロベールのおかげでいい方向に向かっていることには違わない。
それにこんなふうに無邪気に喜ぶ父を久しぶりに見た気がした。
オリヴィアは父の新しい事業がうまくいくように祈るばかりだ。


「エンバルト公爵、感謝する……!」

「ありがとうございました」

「こんな姿ですが、何も疑問に持たないのですか?」


唐突に放たれるロベールの質問に父とオリヴィアは首を傾げた。
彼は少年の姿だからだ。
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