札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「その馬も連れて行け」

「ジョセフィーヌをですか!?」

「代わりの馬を置いておく。ディルムーン辺境伯に知らせてこい」

「えっ……あのっ」

「予定が詰まっているんだ」


どうやらジョセフィーヌとともに公爵家に向かうようだ。
手を引かれたオリヴィアは、少年の姿のロベールに軽々と抱えられてしまう。

(まさか……これがお姫様抱っこ!?)

物語で見たようなお姫様になれて感動すると思いきや、体格差に違和感しかなく眉を顰める。
オリヴィアの微妙な反応すらロベールは楽しんでいるように思えた。
そのまま馬車を乗せられたのだが、なぜかオリヴィアの隣に座るロベールに疑問を持つ。
二人の距離が近いからだ。

(彼がなにを考えているのか、まったくわからないわ。これは契約結婚なはずなのに……)

彼は勝手に潔癖なような印象を受けたが、なぜだかわからないがピタリと体がくっついている。


「あの、ロベール様」

「なんだ?」

「前の席が空いていますけれど……」

「見ればわかる」


オリヴィアは少しだけ苛立つが、ロベールは当然のように答えた。
そのまま静寂が訪れたが、このままでは彼が気になってしまい長旅を楽しめない。
目を閉じて眠ろうとしているロベールを起こすように咳払いしたオリヴィアは笑顔で問いかける。


「どうしてわざわざ隣に座るのでしょうか?」


ロベールは首を傾げて当然のように言った。
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