札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
彼女はアリス・レディズリー。
エンバルト公爵と同じ、三大公爵と同じでレディズリー公爵家の娘だ。
レディズリー公爵家の人間はとにかく蝶のように華やかで美しい。
それは男性も女性も変わらないそうだ。

人形だと見間違えるほどに整っている見た目で、ロベールとは幼馴染のようなものだと説明を受けた。
アリスはロベールにかなり執着しているそうだ。
本当は自分が妻になりたいと思っていると聞いて、オリヴィアは驚いていた。
もう彼女は彼の妻だと思っていたからだ。


『どうしてアリス様を妻に迎えないのですか?』


そう問いかけると、ロベールは冷たくオリヴィアを睨みつけた。
あまりにも厳しい視線に、彼女に何か恨みでもあるのではないかと思ってしまう。


『アレを妻にして、俺に何かメリットがあると思うか?』

『それはわたしにはわかりませんけど……』


それは彼がいつもアリスに向けている視線なのだろう。


『だろうな。とにかくアリスにはなるべく関わるな。マルセルもアイナスもアレを止められない。何かされそうになったらなるべく俺のそばにいろ』

『はい。わかりました』

『アレに耐えるのも契約内だ』


なんとなくあそこまでして妻を選んでいたロベールの行動の理由がわかってしまった。
そして大金を積まなければならない理由もだ。
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