札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~

快適すぎる時間が過ぎていき、体が痛くなってきた頃にエンバルト公爵邸に到着する。
眠ってばかりで固まっていた体をほぐしていた。やはり馬での移動のほうが楽だ。
腰をトントンと叩きながら馬車を降りようとすると、先に降りたロベールから伸ばされる手。

(貴族の令嬢みたい……!)

オリヴィアは感動しつつ、彼のエスコートで馬車を降りた。


(まさかわたしがこんな素敵な屋敷で暮らす日がくるなんて……まるでお姫様みたいね)

エンバルト公爵領はとても人に溢れていた。
綺麗な街並みと見慣れない建物に囲まれていて自然はないようだ。
貴族の、それも公爵家の屋敷に足を踏み入れるだけで体は緊張してしまう。

門には少年が一人立っていた。
彼はアイナスと双子のマルセルだった。
相変わらず感情は読めずに、にこやかに微笑んでいる。

それと彼の隣には人形のように佇んでいる少女の姿。
彼女はロベールを見た瞬間、パッと瞳を輝かせた。
しかしその隣にいて、彼の手に触れているオリヴィアを見た途端、その顔は一気に険しくなる。

(馬車の中でロベール様から簡単に説明は受けたけど……)
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