札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
エリーは慣れた様子で準備していく。ドレスを着ると自然と背筋が伸びる。
まるでお姫様のような自分の姿が鏡で映る。


「これ……誰?」

「オリヴィア様です」


エリーは淡々と答えてはいるが、あまりの感動にオリヴィアは涙目になっていた。
しかし感動は長くは続かなかった、
次第にその顔はコルセットのせいで険しくなり、苦痛に歪んでいく。

(こんなふうにオシャレをしたのは初めてで嬉しいはずなのに、コルセットのせいで半減だわ。貴族の令嬢って楽しいことばかりだと思っていたけど……)

圧迫感は耐え難いものではあるがこれはある意味、訓練だと言い聞かせればなんともない。
腹部の苦痛を我慢するだけなら、慣れてしまえばいいのだ。

(毒キノコや毒草を食べたときの腹痛に比べたら天国みたいなものよ……!)

エリーとともに長すぎる廊下を歩き、また違う部屋へ向かう。
ロベールに案内されたとはいえ、何個も同じような扉があり、迷ってしまいそうだ。
それにしても、蜘蛛の影たちを含めてもすごい人数が屋敷にいることがわかる。

(公爵だけでもすごいのに、三大公爵って別格なのね……)

扉を開くとそこには上品な女性とアリスの姿があった。
アリスはオリヴィアを見て目を細める。

(なぜアリス様がここに……?)
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