札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
アリスは口角を上げて、形だけの笑みを浮かべた。
つまり彼らを脅して、無理やり居座るつもりらしい。

アリスの笑顔を見て、オリヴィアも上辺だけの笑みを浮かべた。
彼女が何を企んでいるかはわからないが、オリヴィアは自分のやるべきことをやるだけだ。
講師は浮かない顔をしつつ、オリヴィアに質問をしていく。

半分ほど答えられたものの、ほとんどは知らないことばかりだ。
最低限は理解することができていた。
そこは人見知りではあったが、いろいろと教えてくれた母に感謝するばかりだ。
とはいっても、アリスの反応を見る限りはいい状況ではないことが確かだ。

答えられないと隣にいるアリスから『こんなこともわからないの?』と、軽蔑した眼差しが送られる。
それがあまりにも癪に触るため、彼女を無視しつつ学ぼうと思いきや、講師が何か言う前にアリスが答えてしまう。

これは邪魔するつもりではなくて、自分の方が上だと見せつけることが目的だとわかる。
このままアリスに煽られて感情的になってしまえば相手の思う壺だろう。


「なら、アリス様が今度から見本を見せてください」

「はい……?」

「令嬢として完璧なアリス様がそばにいて指導してくださるなら嬉しいですから」
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