恋の終電列車
 帰りは淀野さんに自宅まで送って貰った。何となく離れ難い私達は離れるタイミングを失ってしまう。でも、離れなくてはならない。

 この前知り合ったばかりの私達なのに、今日1日で打ち解け、すっかり仲を深めていた。

 「今日は有難うございました。楽しかったです。」

 お決まりの定型文みたいな言葉を発したけど、本当に言いたい事は違っていた。本当は「私達付き合いませんか⁇」ともっと確信付いた事が言いたかったのだ。

 「僕も楽しかったです。また一緒に出かけましょう。」

 こめかみをぽりぽりと掻きながら言われ、淀野さんが照れているのを感じて嬉しくなった。「はい。また是非。」と言って私達は別れた。

 淀野さんが帰った後、彼といた余韻に浸る私は顔がニマニマ綻んで嬉しくなった。私達の間にはまだ何も生まれていないけど、今日1日一緒にいて彼の優しさや誠実さが伝わってくる。

 私は嬉しさと喜びでいっぱいになり、思わずベッドにダイブして「キャー。」と言って枕に顔を埋めた。
< 19 / 23 >

この作品をシェア

pagetop