余所者-よそもの-【 3 】
「ねぇ、野間くん」
野間くんの声を聞いたら、急に千景のことを思い出した。
シドが私を連れ去った日。
肩を壊した千景と野間が、殴り合っていた。
千景は……無事だったのかな。
「前に……千景とさ」
「殺してないっすよ」
「……え?」
「………」
野間は「はあ、」と溜息を吐いてから言った。
「地下の売人は殺してません」
「そっか、どう――」
「理由、また聞きます?」
え?
まるで私が何を尋ねるかわかっていたかのような口ぶりだ。
「僕はあの時、地下の売人に殺されないようにするのに精一杯でした」
そっか。
よかった。
「今日も安心しましたか?」
野間は、変なことを言う。