余所者-よそもの-【 3 】



「お前は……かぁこに、身勝手に……触れた」

「………」

「消えない傷を……アイツの身体にっ……心に、残した……っ!!」



その怒りを真正面から浴びながら。

千景は、ただ困惑していた。


「………」


なぜ、コイツは。

自分が紫藤に向けている感情を。

自分が紫藤に吐き出したい言葉を。


どうして、自分に向けてくるのか。


わからなくて、不思議で、呆然とした。



「お前……何を、言ってる」


「お前のせいで……!!」



ユキの拳が、千景の横っ面にめり込んだ。


その言葉に。

昨日、リビドーで味わった挫折。

どうしようもない無力感を、思い出す。



「――僕のせい?」


彼女があんな風に傷だらけなのは。

彼女があんな風になっても、僕の手を取ってくれなかったのは。



――『一緒に行けなくて、ごめんね』





「……お前のせいだろうが――ッ!!!」




たまらず、千景はユキを殴った。

殴って、しまった。


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