余所者-よそもの-【 3 】


「………」


治りきっていない右肩の痛みが、千景の暴走を止める。


――『千景はユキさんも、リンコさんも傷つけたから。私を悲しませたから』


いけない、落ち着け。

手を出すな。


これ以上、彼女を悲しませたくない。


それなのに。

どうしたって、こらえきれない。




「お前が……弱いから。お前が、弱いせいで……!!」




その言葉に、今度はユキの胸の中にある傷口が抉れる。


――『ユキさんじゃ、私を守れっこありません』



「……そうだ。俺が弱いせいだ」


ユキと千景の言葉が――……静かに重なった。



「だから、アイツを助けられなかった」

「だから、あの人を助けられなかった」



二人の胸の奥で、同じ傷が、同じ温度で、じりじりと焼けていく。



< 157 / 364 >

この作品をシェア

pagetop