余所者-よそもの-【 3 】
第5章

66話:剥がれた虚飾



ここは、ユキの自宅マンション。

鉛のように重い身体を、柔らかいベッドに預けている。


ふと右手に伝わる温もりに、視線を落とした。

私の指に、ユキの細い指が静かに絡んでいる。


「………」


ベッド脇の椅子に腰かけるユキ。

息を呑むほど儚く美しい横顔を、じっと見上げた。



――あの日から、もう、三日が経っていた。


目覚めたのは、昨日。

ユキから聞いた話では、私は丸二日間、ほとんど眠り続けたらしい。


今日になって、ようやく頭の芯がはっきりしてきて。

だんだんと、いろいろなことをゆっくり理解できるようになってきた。


ドラッグに蝕まれた自分の身体。

脳との接続を切られたような、おかしなこの身体。


話せるようになってから、私は何度か『もう大丈夫』だってユキに伝えた。

けれど、ユキは頑なに私を一人にはせず、『なにかあればすぐにわかるから』と、私の手だって離さない。


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