余所者-よそもの-【 3 】
あ。
もう、時間か。
そう思ったとき、油断した私の足が、木の根っこに掬われた。
――ガッ、と片足を取られる。
「……っ」
地面に手をつく寸前。
ユキの腕が素早く差し込まれ、私の身体を支えた。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫です」
そう口にすると、また獏が頭の中に出てきた。
……今、『大丈夫』なんだっけ。
「怪我がなくてよかった。そろそろ中に戻るか」
立ち上がったユキが、私に手を伸ばす。
「………」
この手を取れば。
私は、ラボに戻って。
ユキは、帰ってしまう。