余所者-よそもの-【 3 】



「顔色が悪いから」

「………」

「お願い」

「………」

「お願いだよ」

「………」


根負け、というものだと思う。

どれだけ無視をしても、諦めてくれなかったから。


この人のことを許したわけじゃない。

それでも、この人は本気で私を治そうとしていることだけは、伝わってきた。


「………」


そっと口を開いて、一口を含む。

味なんてわからなかったけれど。


「……食べた!」


ただ、地下の売人はパアアと顔を明るくさせて、無邪気に喜んだ。


「もう一口食べよう!」

「いい……」


私は上半身を起こして、「貸して」と手を伸ばす。


「自分で、食べられるから」


彼は口端をゆるゆると上げ、時間をかけて笑みを作る。

やっとのことで、私の手の上に冷たいゼリーを乗せた。


「もう3日目だから、そろそろ消化のいいもの食べた方がいい。嫌いなものある?」

「……ないよ」

「じゃあ、ゼリーとそこにある飲み物飲んで、待ってて」


そう言うと、隣の部屋のキッチンまで移動した。


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