余所者-よそもの-【 3 】
「ねぇ、潤」
「なんだ?」
「アタシ、カナコが好きよ」
「そうだな」
「ユキちゃんのことも、放っておけない」
「うん」
「なのに、なんでかしらね。あの2人を見てると、腹が立つ」
潤にも、その気持ちは痛いほどよくわかる。
「どっちも、自分のことより相手を大事にするからだろ」
「そうね」
「そういう優しさも時には凶器なんだって俺は思うよ」
「だけどアタシだってその優しさに救われた」
「うん」
「だから、幸せになってほしいわ」
「俺も」
「たとえ。この街が、そうさせてくれなくても」
人のぬくもりに飢えたこの街は。
カナコの血生臭い優しさを欲しがる。
そしてカナコは、きっとそれを振り払えない。
カナコを愛するユキは、カナコの優しさだって愛おしい。
だから、逃げられない。
「アタシ、2人の為ならなんだってする」
だからこそ、俺たちだって……。
「ありがとな。リンちゃん」
「アンタに礼言われることじゃないわよ」
「ユキは俺の親友だから」
「アタシはカナコの親友だもの」
潤とリンコは目を合わせ、「ふっ」と笑った。