余所者-よそもの-【 3 】


「ねぇ、潤」

「なんだ?」

「アタシ、カナコが好きよ」

「そうだな」

「ユキちゃんのことも、放っておけない」

「うん」

「なのに、なんでかしらね。あの2人を見てると、腹が立つ」


潤にも、その気持ちは痛いほどよくわかる。


「どっちも、自分のことより相手を大事にするからだろ」

「そうね」

「そういう優しさも時には凶器なんだって俺は思うよ」

「だけどアタシだってその優しさに救われた」

「うん」

「だから、幸せになってほしいわ」

「俺も」


「たとえ。この街が、そうさせてくれなくても」


人のぬくもりに飢えたこの街は。

カナコの血生臭い優しさを欲しがる。

そしてカナコは、きっとそれを振り払えない。

カナコを愛するユキは、カナコの優しさだって愛おしい。


だから、逃げられない。


「アタシ、2人の為ならなんだってする」


だからこそ、俺たちだって……。


「ありがとな。リンちゃん」

「アンタに礼言われることじゃないわよ」


「ユキは俺の親友だから」

「アタシはカナコの親友だもの」


潤とリンコは目を合わせ、「ふっ」と笑った。


< 358 / 447 >

この作品をシェア

pagetop