余所者-よそもの-【 3 】
深刻そうな顔をするユキ。
リンコは不思議に思った。
「アンタ、今までの女には嫉妬しなかったの?」
「ない。別に誰と何してようが、そもそも興味がなかったし」
「それ、付き合ってた女よね?」
「さぁ」
「……は?」
「向こうが言うから勝手にさせてた。別に、契約書があるわけでもあるまいし」
「アンタ……人を好きになったことないの?」
「あるよ。かぁこだけだ」
「………」
リンコは絶句した。
夜の街で浮名を馳せていた、顔面偏差値の異様に高いこの男。
ユキとの男女の関係を、自慢げに語った女は数えきれない。
付き合ったことがある、自分は彼女だ。
抱かれたことがある、自分はセフレだ。
噂なんてアテにならないことは知っていた。
それにしたって、これは予想外。
これだけ女に困らなかった男が、一度も誰かを好きになったことがないなんて。
カナコへの愛情が重くなるわけだ。
だったら、茶化すのはよくない。