余所者-よそもの-【 3 】
「……無理だよ。紫藤なんて、もっと話にならない」
「どうしてそう思うの?」
「僕にはわかる。相手の目を見ればわかる。……アイツ、狂ってる」
そう言った千景の瞳からは、一瞬で子供のような無邪気さが消えて。
「………」
暗く、冷たい光が宿っていた。
「……それは、悲しいことがあったから」
「悲しいことがあったら、ママはどんな酷い目に遭わされてもいいの?」
「そうじゃない」
「絶対ダメ。紫藤にだけは、ママを渡せない」
「………」
千景は、その一点張り。
どうしてここまでシドを危険視するんだろう。
千景の野生のカンじみた『アイツは狂っている』という確信だけが、私をここに縛り付けていた。