余所者-よそもの-【 3 】
バンはシドに、強い恨みがある。
――『龍翔鳳鱗(リュウショウホウリン)。知ってるだろ、隣町で一番の族だ』
――『俺は、俺のダチがやられたから、だから紫藤にやり返すんだ』
リンコはグラスに目を伏せたまま、呟く。
「ダチのために……ねぇ」
「んだ。馬鹿にしてんのか」
「全然?今回のシトウとの抗争。アンタ以外に族から何人動くの?」
「族は……動かねぇ」
「なんで?」
「ウチは現実主義なんだ。シトウに喧嘩売るとか族一個潰されかねねぇ」
――『族は動かねぇ。だからお前らを使う』
バンはずっと前から言ってた。
族は動かせない。
だからユキに近づきAnBarに腰を据えて、虎視眈々(コシタンタン)と復讐の機会を待っていた。
けれど、リンコはそんなバンを鼻で笑った。
「現実主義の族って何?損得勘定して大人しく生きられるなら、ハナから族なんかやってないでしょうが」
「あ?」