余所者-よそもの-【 3 】


「カナコさん。交代します」


カウンターに入ってきたサンコン。

私は静かにテーブルへと戻った。


「アッチは難しい話をしてるわねぇ」

テーブルに戻るなり、そう言ったリンコはアルコールにご機嫌。


囁きほどしか鳴っていない店内のBGMは、カウンターの三人の話をテーブルまで届けていた。

そのせいか。


「……いよいよだ。いよいよ、ガチでシトウとの抗争が始まる」

バンは、武者震いを起こしていた。


「やっと、ダチの恨みを晴らすときがきたんだ」

グラスの中身をグイッと一気に煽る。


リンコは「飲め飲め」と愉快げになりながらグラスに口をつけ。

手元でクルリと回したワインに、ふと目を落とした。


「……アンタ。なんかシトウと因縁でもあんの?」


バンはグッと手を丸めた。

「ああ。ダチが紫藤にやられた。暴走してたら単車ごと轢かれたんだ」

「暴走?アンタ族やってんの?」

「そうだ」

「へぇ」


< 429 / 447 >

この作品をシェア

pagetop