余所者-よそもの-【 3 】
千景が家を出て、しばらく。
デックは静かだった。
部屋で何かをするでもなく、話しかけるでもなく。
「………」
「………」
ただ、玄関の廊下の壁に背中を預けて座り込み、黙ってスマホを触っていた。
だから言葉を交わしたのは、彼がこの部屋に入ってからずいぶん経ったあと。
何気なくトイレに立った時に、目があった。
「……いつだったか」
「なに?」
「アンタの知り合い、Z地区で死んだよねぇ」
……タカのことだ。
「ああ、そうだ。金髪のヨソモノちゃん」
「………」
「残念だったねぇ」
その軽薄な言葉に、スマホに目を落とすデックを頭上から睨みつけた。