余所者-よそもの-【 3 】
「………」
この目は、いつか見た、あの目。
私を酷く抱いたときの、あの、壊れた目。
私の意志も、存在も、全部無視をして。
何を言っても、叫んでも、止まってくれない。
残酷な眼差し。
シドは私を目で囚えたまま、一度も視線を外さずに冷たく言い放つ。
「野間」
「うす」
「そいつ、殺しとけ」
「……りょっす」
鋭い氷を突き立てられたように、背筋が強張った。
千景が、殺されてしまう。
私はシドから目を逸らし、千景の方を振り向く。
――千景。
口を開こうとすれば、腕に衝撃が走った。
「……痛っ」
乱暴に掴み上げられた肩。
シドは私を力ずくでその場に立たせた。
彼は私のことなんて見向きもせず。
ただ、大きな歩幅で歩き出した。
後ろの私が足をもつれさせようが、転ぼうが、おかまいなしに歩いていく。