真夏の一夜は恋の始まり(新装版)
 1ヶ月後。季節は夏から残暑厳しい9月に変わっていた。今日は私が勤める『小鳥っ子保育園』の1日消防体験の日だ。
 深田消防署の人達を迎え、私は深々と挨拶をした。

 「今日は宜しくお願いします。」

 私が挨拶して顔を上げると…⁇

 『あっ⁈』

 思わず2人の声がシンクロしてしまった⁈そこにはあの夏の日に出会った長内さんの姿があった。

 「何だ長内⁇この保育士さんと知り合いか⁇」

 他の団員の人が尋ねる。

 「いえ。別に知らない人です。」
 
 長内さんは冷たい目でそう言った。ズキっと私の胸が痛んで少し寂しくなった…。

 そうだよね…。私あんな事言っちゃったんだもん…。もう私とは関わりたくないよね…。

 ハーっと私は深いため息をつく私はあの夏の日のことを思い出していた…。

 あの夏の日…。私は長内さんに言ってしまった…。

 「ごめんなさい。私はその…酔ってたからそういう事しちゃったかもしれないけど、そういうつもりはなくて、本当に一夜の過ちっていうか、昨日の事は事故みたいなものだったんです⁉︎」

 急すぎて混乱しすぎて、本当に覚えてなさすぎて、つい酷い言葉を言ってしまった私。

 長内さんは「そっか…俺先走って勘違いしてたかも。分かりました。俺も一夜の過ちだと思って忘れます。」

 そう言って肩を落として去って行った…。

 それで、あの夏の夜の出来事はお互い一夜の過ちと言う事で終わった…。
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