真夏の一夜は恋の始まり(新装版)
 「そっちこそ今日恵美ちゃんに言い寄られてまんざらでもなさそうだったじゃないですか⁇鼻の下伸ばして嬉しそうでしたよ⁉︎」
 
 やっぱり男の人ですね。と言ってちょっと口を尖ろせてみた。

 「別に嬉しそうにしてないし。鼻の下も伸ばしてないし。あっちがずっとくっついてくるから、仕方なく一緒にいただけです。」
 
 そうですか。と私は言ったけど、ちょっと嬉しくなってしまった。

 「そう言えば、長内さん途中でいなくなっちゃったけどどこ行ってたんですか⁇」
 
 そう言えばそれが原因で私は大きい石にぶつかって足を挫いたんだった。長内さんは恵美ちゃんといたはずなのに急にどこかにいなくなったのだ。疑問に思わずにはいられなかった。

 「あっ、あれは離れるためにトイレ行くって嘘ついてバックれてただけです。そうじゃないと離れられなかったので…。」

 あー成程。それで急に何処かにいなくなっちゃったんだ。と言って私達は笑って話した。

 あっ、今長内さん笑った。笑った顔初めてみたかも。良かった。いつもより場の空気も和んだかも。いつもみたいにギクシャクしたり、緊張したりしなくなった。

 私達は何となく距離が縮まって打ち解けられたのを感じた。

 それから私達はいつになく色々話した。

 長内さんの実家は九州にあるらしい。大学からこっちに出てきて、それからはこっちに住んでいるという事だった。
 男3人兄弟の長男だから、女子の扱いは慣れていないとも言っていた。
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