彼らの夏が終わる
 帰宅後、藤也は父親と共に花を運び終えると、タブレットを母親に引き継ぎ、自転車にまたがった。

 庭で低木の手入れをしている祖父と妹たちに見送られながら、藤也は学校へ向かう。


「はよざいまーす」


 まずは中庭で園芸部に声をかけた。

 すでに来ていた草野(くさの)から昨日までの作業内容を聞き、副部長の(やなぎ)も交えて今日の作業をどう進めるか決めていく。


「この後はバスケ部だろ。いってらっしゃい」

「行ってきます。……先輩、最近、俺に甘くないですか」

「あー、うん」


 草野が苦笑した。


「須藤に構ってると、三枝が張り合ってきておもしろいから、つい」

「……あの、俺を通して俺の彼女にちょっかいかけるの止めてもらっていいですか?」

「そういうつもりじゃないけどさ。あ、教頭が差し入れくれたからあげる。来年の修学旅行先の下見行ったんだってさ」

「もらいますけど……」


 草野は小分けされたちんすこうをバスケ部の人数分差し出した。藤也はそれを受け取り、運動部の部室棟へ向かった。

***

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