悪魔は夜に笑う
第1話
「またこの展開?勘弁してよ……」


今日も婚活がうまくいかなかった。
深沢愛結那(ふかざわ あゆな)29歳。
愛を結ぶという漢字が名前に入っているのに恋愛運がことごとく悪い。

今朝、マッチングアプリを通して仲良くなった男から「元妻と再婚することになったからもう会えない」と言われた。
元嫁に未練はないと言っていたのに裏切られた。
なんでも、私と出会った辺りから突然元嫁から連絡が来るようになったらしい。

さらについ先日、仲のいい職場の同期2人が付き合っていることを知った。
同期同士一緒に飲みに行かないかと私が誘ったことから交際に発展したらしい。
男の方は「30になって相手がいなかったら結婚しよう」なんて冗談を言い合う間柄だったからショックが大きかった。

そう、私はどう足掻いても他人の縁を結んでしまう“キューピット体質”なのだ。
そう信じ込まないとやってられないくらいずっと恋愛がうまくいかない。
名は体を表すというけれど、こんな表し方は最悪だ。

確かに結んでますよ赤の他人を。
肝心の私が結ばれなくてどーすんの!

これまでも愛を確かめるためのダシにされたり、当て馬にされたり、もう散々。
ろくに恋愛らしい恋愛をしてきた試しがない。
私なんてもう一生結婚できないんだ。


「もう無理!やっぱり私は恋なんて出来ないんだよ」


傷心の私は行きつけのバーでやけ酒をしながら嘆いていた。
大袈裟に突っ伏すとカウンターの向こうから大きなため息が聞こえた。
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