悪魔は夜に笑う
覚悟したその瞬間、触れるだけだった熱が遠慮なく押し広げて再び私の中に侵入してきた。
悦ぶように震えながら受け入れてしまう私の体。
限界と感じるほどイキすぎて苦しかったのに、まるで恋しいと思うような反応にどうかしていると思った。


「っ、いやぁ」

「ねえ、顔見せて。嫌がってる顔には見えないんだけど」

「もう、うるさい、んッ」


蒼士郎くんは本当に変わっている。
最中に女の顔を見たって興奮しないはずなのに、正常位で私の顔を見ながらするのが好きらしい。
変顔コレクションも大概だけどこっちはもっと悪趣味だ。顔を見られたくなくて背中に腕を回して抱きついた。


「早く、おわっ、て……」


快感に沈んでいく感覚は好きだけどつい口から出たそれは本心だった。
身も心も、どれほど私を翻弄したらいいんだこの男は。


「早く終わらせて欲しい?じゃあ言ってよ」


すると蒼士郎くんは私を抱きしめ、ゆっくりと腰を動かせながら囁いた。
卑猥な言葉を喋らせて気分を上げるつもりだろうか。
私そういう演技する自分が気持ち悪いって思うから萎えちゃうんだけど。


「……なに、を?」


ところが問いかけると蒼士郎くんは動きを止めた。
そして抱きついていた腕を緩ませ距離を取ると、感情の起伏なく口を開いた。


「好きって言って」
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