悪魔は夜に笑う
その感情に身を任せたまま、低い声で吐き捨てて通話を切った。
電話はもうかかって来なかった。
ほらな、大した男じゃなかった。

スマホをベッドに置いて、あゆなさんの寝顔を眺める。
目がピクピク動いてるからそろそろ目を覚ましそう。眉毛も頻繁に動く。そして時折口が開いて、あゆなさんって寝てる時ですらそそっかしいんだって笑えた。

抱いても俄然興味が湧くなんて、こんなこと初めてだ。


「さて、どうしようかな」


この感情が単なる好奇心なのかどうか確かめたい。
ただ、婚活を真剣に取り組んでる相手に興味本位で近づくのは失礼だ。

俺の頭の中で天使と悪魔が交互に囁いている。
互いが主張を繰り返すも、次第に悪魔が優勢になっていく。
そもそも、弱ってるあゆなさんを誘って抱いた時点で俺は悪魔の甘言に負けていたことに気づいてほくそ笑んだ

早く起きてよ、あゆなさん。自分の心境の変化があゆなさんのせいなのか確かめたいから。
手を伸ばし、その柔らかな髪をそっと撫でた。


END
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