悪魔は夜に笑う
長いな、着信かも。仕事関係だったら取らないと。
ベッドに置いた自分のスマホを手に取ったけど着信画面は表示されない。

つまり俺のじゃない。あゆなさんだ。
ベッドの近くのテーブルに置いてあるあゆなさんのバッグからスマホを取り出すと着信あり。
非通知か、なんか嫌な予感したけどおもしろそうだから出てみるか。


「もしもし愛結那?久しぶり」


勘が当たった。男だ。
久しぶりって言ってる時点で。現在進行形で関係のある男じゃねえな。


「あー……怒ってるよね。あんな別れ方したし」


黙ってると男は勝手に喋りだした。
あゆなさんは別れたら逐一報告してくるけど、どいつだろう。
あんな別れ方ってことは、ろくでもない男なのは間違いない。


「俺、もう一度愛結那とやり直したいって思ってる。絶対幸せにするって約束するから、だから……」


面白半分に聞いてたけどゾワゾワと鳥肌が立った。
ここまで気色悪いセリフ、よくつらつらと口に出せるな。
大方、キープの女がいなくなってチョロそうなあゆなさんに連絡したってところだろう。

不快感とともに同時に覚えた感情は怒り。
なんで俺が怒ってんだろ。意味わかんねえ。


「自分に酔ってんだろお前」

「……え、男?」

「二度とかけてくんなクズ」
< 183 / 188 >

この作品をシェア

pagetop